第2章
□ビサイドより
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翌朝は真っ青な晴天、絶好の旅立ち日和だった。
最小限の荷物をまとめ、船を待つユウナ、ティーダ、ワッカの側には、イナミを抱いたル
ールーが見送りに来ていた。
ルールーの腕の中で無邪気に笑うイナミを抱き上げ、ワッカは早くも涙ぐんでしまう。
「だ・・・・・・大丈夫っスか?」
やっぱりワッカはビサイドにいた方が――そう続けようとしたティーダの言葉を遮るよう
に、ワッカはイナミの頭を撫でた。
「ちょっと行ってくるからな!
いい子にしてたらお土産買ってくるから、楽しみにしれ〜!」
――その時。船着き場のすくそばに、飛沫をあげて飛空挺が滑り込んできた。
「ねぇ・・・・・・あれ・・・・・・!」
扉が開いて、駆け出してきたのはリュックだった。