第2章
□ビサイドより
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結局、毎日通信スフィアで様子を知らせる、何かが起こったらすぐにワッカはビサイドに
戻る――ということで話はついた。
出発は明日、朝一番の船で。そう約束すると、ワッカとルールーはイナミを寝かしつける
ために帰っていった。
「キーリカに着いたら、すぐ薬を補充しないとね。」
前向きな言葉とは逆に、ユウナの表情は一向に晴れない。
「・・・・・・心配?」
ティーダは準備の手を止め、そっとユウナを抱きしめる。ティーダの気持ちに応えるよう
に、ユウナは彼の背中に手を回した。
「ううん、キミが一緒だから。」
「・・・・・・呼び方。」
「あっ。」
「大丈夫。今度は絶対、何があっても2人一緒って、約束するから。」
「うん――約束。」
けれど、その日2人が旅の準備を終えても、ユウナの表情が明るくなることはなかった――