第2章

□ビサイドより
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「今までビサイドでそんなに強い魔物が出たことはないわ――いえ、ここ半年ほど、まと
 もに魔物が出たことすらなかった。最近のスピラでは、強い魔物が出るのは砂漠やガガ
 ゼド山に限られていたはずよ。」

「何かが起こってるのかもしれねぇな。」


ルールに賛成するように、ワッカが頷いた。

「こないだルカでブリッツ監督会議があった時によ、ファングの監督に聞いたんだ。
 ナギ平原より北で、やたら強い魔物が出るようになったって。」
 

どうやら二人はそのことを相談に来たらしかった。眉をひそめたユウナが、ティーダを振り返る。

「キミは、どう思う?」



ルールーとワッカは一瞬で不安にかられる――昔の呼び方に戻ってる――1年前にティー
ダがビサイドの海辺に姿を現してからというもの、ユウナは彼のことをティーダ、と名前
で呼んでいたハズだったのに。
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