第1章
□ベベルにて
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しまった――そう思った時には既に遅く――バラライの目がキラキラと輝いていた。
「へー。会議があるって言ったんですか?ギップルが?会議って?なるほど。」
「あっ・・・・・・ちょっ・・・・・・待てって・・・・・・!」
「ソラさん?せっかく来ていただいたんだ、ギップルのことは僕に任せて、ソラさんは
ゆっくりべべルを見てまわってくださいね。」
そう言ってバラライはいつも通り真面目な顔をして見せたけど――バカ野郎、肩が震えてんだよ!
* * *
「で?ギップル?僕らはどんな会議をすればいいのかな?
今から新エボン党のお偉方に連絡して、来ていただいた方がいいだろうか――まったく
――僕の手違いで、すまない。」
ソラが部屋を出ていった後、バラライは完全に楽しんでる様子で携帯用の通信スフィアを
取り出した。
「あー!言えばいんだろ、言えば!
そうだよ!嘘ついたのはオレ!
こうでもしないとソラのやつ、べべルに来ないからよ。
オレはあいつに一度、生まれ育った場所ってやつを見せてやりたかっただけで――」
観念したオレが早口でまくしたてると、バラライは珍しく、妙に感心したような顔を見せた。
「ほんとに本気なんだな。誰かが幸せになるのはいいものだけど、ギップル――君が幸せ
になるのは本当に嬉しい。」