第1章
□Dinner
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「ソラ!いるかー?」
ギップルがソラの部屋のドアを叩くと、本人がひょっこり顔を出した。
「なに?」
「あー、なんつうか。こないだ、また仕事ない日に発掘頼んじゃったじゃん?
そのお礼ってことで、飲みにでもどうかと思ったんだけどさ――」
ソラは、ギップルのスケジュール管理やマキナ開発の手伝いをするようになってからも、
当のギップルに頼まれて仕事の合間に発掘に出かけることがよくあった。
やはりソラでないと発掘してこれないパーツがたくさんあったからだが――ギップルが
今、気まずそうな顔をしているのは、ソラがドアを開けた途端、部屋からものすごくいい
匂いが漂ってきたからだ。