善と悪

□中学にて
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授業考えていたことは館島のこと、新宿の情報屋のこと、そして昨日出会った通行人Aさんのこと。
やはりどこかで会ったことがあるような気がする館島を記憶の中から引っ張りだそうとする。
そして新宿の情報屋について授業中に隠れて携帯をいじって分かったことは、来神学園の卒業生で静雄さんの同級生でよく喧嘩をしていたということだ。

(静雄さんに聞きたいけど、それだけで自動販売機とか壊しそうだしなー......)

親切であると同時に少々怒りっぽい隣人の事を思い浮かべ、ため息をつく。

(いい人なんだよ。いい人なんだけどなぁ......)

そして、同時に来神学園の卒業生であると言っていたAさんのことを思い出す。

(あ、でも年代が違うか......)

それに、これからあまり会うことのなさそうなAさんに聞こうにも聞けない。

(やっぱ名前ぐらい聞いておけばよかったなー...)

こればかりは後悔しても遅いのだが、その内会えると思いとりあえず吹っ切れる。
すると、

「ッ痛!?」

と、おそらく教科書で頭を叩かれた。

「ほぉ〜、柚咲。貴様は成績さえ良ければ授業は受けなくても良いと思ってるんだな?」
「あ、えっと、秋崎先生......」

担任の秋崎先生に頭を叩かれ覚醒。

「よし、今日の授業でやったところ、お前だけ次の休憩時間テストだ」
「ちょ、え、笑顔で言われても困るんですけどー!!??」

♂♀

結局あの後本当にテストを受けさせられ、満点をとったら舌打ちされたような気がするけどあくまで気のせいだろう、うん、気のせい気のせい。

「紗夜ー、叫び声、こっちのとこまで聞こえてた」

帰り道正臣にそう言われ、

(やば、恥ずかしー......)

とか思ったり。
だが、家に帰り気を引き締める。

「今日は散々だけど......その分さっさと厄介事は終わらせますか」

――《厄介事は》

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