君の香りと混ざりあって(勘違いされ主)

□桜の樹の下で〜プロローグ〜
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ーーとある友人サイドーー
オレは、神無月 闇代のおそらく
唯一の友人だ。闇代は、その
雰囲気のせいで友人がほぼ
いなかった。少し威圧するような雰囲気で、オレも最初は遠巻きに見ているだけだったが、近くで
話してみると、ちょっと無口な
妖艶すぎる美貌を持った奴だ、と分かった。0.001ミリしか表情が動かないが、笑った時の顔は
天使のようで、思わず固まって
しまったこともある。そして、
今日は、並んで帰っていた。
キキーッ‼︎‼︎
すぐそばまで車が迫って、あぁ
もう駄目だ、と思った時だった。
ドンッ
闇代に突き飛ばされて、難を
逃れたが。
グシャッ!
・・闇代が、撥ねられた。嫌な
音がして、闇代の体が地面に
叩きつけられる。
「闇代、おい‼︎死ぬな、今、
救急車を!」
闇「・・ごぼ・・」
オレの腕の中で冷たくなっていく体を、必死で抱きしめたが、
もう・・その心臓の音は
途切れていた。
二週間後。
クラスメートに限らず、先輩や
後輩までもが闇代の葬式に参加
した。前が見えなくなるほど
泣いて泣いて・・挨拶をした。
闇代、親がいなかったんだ。
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