ショート妄想
□らんまショート妄想『写真』
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「時に天道なびき。早乙女の写真はないのか?」
ふいに九能に声をかけられ、なびきは顔を上げる。
「乱馬くんの?あるけど…何で?」
「刀の稽古の的に使うのだ。」
「前から思ってたけど、九能ちゃんってさ、陰険よねぇ〜」
「五月蝿い、あるのか?」
「あるわよ。一枚千円ね」
ズラリと机に並んだ写真は極々日常的なものだ。
「…高い」
「要らないの?」
「全部買おう」
なびきから買いとった写真を丁寧に布にくるみ、懐にしまう。
「随分大事そうに扱うじゃない」
「フッ、馬鹿を言うな。何故この僕があんな奴の写真なんぞを大事に扱わねばならんのだ」
「ふーん、着替え中とかお風呂の時の写真とかもあるけど」
「貴様、男女でありながら、何故そんな所までっ!?何と破廉恥な奴だ」
「いらないの?」
「全部買おう」
「一枚二千円」
「………高くないか?」
「……あっそ、買わないの?」
「いや買った!」
なびきから写真をひったくって金を机に叩きつけると、九能はそれをまた大事に懐に仕舞う。
「何が的に使うよ…」
呆れた様になびきは呟く。
あれで、当人達はバレてないつもりなのだから。
「ほんと、男って不器用よね。」