大切なあなたへ
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「タイガ………?」
誰だ………?
どこかで聞いたことあるな。
……………男か?
『青峰君と同種で、テツヤ君の今の光。』
火神か!!
『タイガ君なら大丈夫だと思った。』
どこをどう見たらそう思ったんだよ!?
「あいつはダメだ。あいつの光は淡すぎる。俺には到底届かねぇよ。」
あいつじゃ満足にできなかった。
足が治ってなかったのを差し引いても、テツがいてやっとまともに戦えるってくらいだ。
『タイガ君には才能がある。青峰君と同等の才能が。今は無理でも、WCまでには絶対強くなってる。』
「お前は………誰を応援してんだよ!?」
『桐皇を応援しないわけじゃない。短い間だったけど、マネージャーやってたし。……だけど、タイガ君に懸けてる。私は青峰君じゃなくて、タイガ君を応援してる。』
…………タイガ君、タイガ君うるせぇよ。
火神にも名前で呼んでるのに、何で俺だけ!?
お前はあいつが…………
「火神が好きなのかよ。」
『えっ?』
「火神じゃないなら、テツか?赤司か!?……お前は、俺以外の奴には皆名前で呼んでる。皆に媚売って、そんなにモテたいのかよ!?」
ちょっと待て。
俺はそこまで言いたいわけじゃない!
「そんなに俺が嫌いなのかよ!?………俺だって…………………」
黙れっ!!
止めろっ!!!
「お前みたいな淫乱こっちからお断りだ!!!!」
言った後で後悔することは、何回もあった。
だけど、今まで以上に後悔したことはないかもしれない。
昔の俺は、こんなことになるなんて思ってもみなかっただろう。
まさか俺が…………
「もう俺の前に二度と顔を見せるなっ!!!」
佐倉を拒絶するなんて。
俺が、あいつを傷付けるなんて。