大切なあなたへ

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いきなり何を聞いてくるかと思えば、先輩を叩いた理由?
今吉先輩までそんな事聞いてくるのか。

『さぁ。噂と同じなんじゃないですか?』

皆同じ事聞いてくる。
先生も。桃井さんも。青峰君も。
私を責め立てたいのだろうか。
今まで以上に。

「すまんなぁ。ワシ、結構本気で聞いてんねんけど。別に自分を責めようとかって分けちゃうねん。教えてもらえへんのか?」


『じゃあ、なんでそんな事聞くんです?先輩には関係ないですよね?』


そう。関係ないはずだ。

私は1年。
先輩は3年。

先輩はバスケ部。
私はもはや帰宅部。

接点はないはずだ。


「まあ、第一に興味本位や。青峰と桃井の幼馴染みなんやろ、自分?」

よく、そこまで知っているものだ。
別に隠していたわけではない。
だけど、青峰君や桃井さんと接点を断った今、知ってる人は少ないのではないだろうか。


そうすると、あの2人から聞いたのだろう。


『よく‥‥知ってますね。でも、先輩がそれだけで聞いてくるとは思えませんが?』

「自分もようわかっとるやん。そうやな、もう一つ例を挙げるとしたら。あんたを男バスのマネージャーにしたいんや。」

『‥‥は?』


何言ってるんだ、この人。

「知らんわけないやろ。キセキの世代、影姫、佐倉晴香。マネージャーというよりは、選手の強化練習の相手やって聞いてるけど。」

何を言うかと思えば。


『私がキセキの世代なわけないじゃないですか。彼らとは違います。』

そう。一緒なわけがない。
彼らは天才。私は凡人。
バスケは上手い方だとは思うが、それは努力したから。
努力して掴んだ結果だ。


「1年VS2、3年の試合見てて思ったわ。あんたも紛れもない天才や。だから、欲しい。」



『私は‥‥』


「それともなんや、桃井か青峰を退部させな入ってくれへんか?」
『なっ!!先輩は自分が何を言ってるのか「わかっとるで。少なくとも自分よりはな。」!?』


じゃあなんで!?


「桃井の情報は助かっとるし、マネージャーとしても頑張っとるのはわかるけど、そんだけや。別におってもおらんでも一緒や。まあ強いて言えば、むさ苦しい場所におる一輪の花ってとこか?


青峰だってそうや。あいつが上手いのは認めとる。やけど、練習サボってばっかで、数えられるくらいしか来ーへん練習に来ても、ゴールはぶっ壊して、練習出来んようにする。挙げ句の果てには先輩の腹蹴ったりとかな。


代わりはいくらでもおんねん。あいつらの代わりとか誰でもええ。やから、別に強制退部でもさせれば『黙れっっっっっ!!!!!!』」


男子の方の人たちも‥‥‥‥少しもわからないの‥‥‥‥!?



『桃井さんは‥‥‥‥さつきちゃんに代わる人なんていない!!大輝君だって本当は人一倍バスケに真剣に取り組みたいはずなの!!!2人以上にすごい人なんていないんだから!!!あんなに優しいさつきちゃんが媚売ったりなんかしない!!!いつも私たちの事考えてくれてる大輝君が、さつきちゃんの事捨てるはずない!!!


なんで‥‥‥‥!!!!何でみんなわかってくれないの‥‥‥‥。』



何で私じゃなくて2人なの!?

2人をバカにする事は私が許さない!!
たとえそれが誰であろうとも!!


「‥‥‥‥ふぅ。すまんかったなぁ。でも、さすがにワシもそんな事思ってないよ。桃井、もうええで。こっち来ぃ。」


も、もい‥‥?


キィ


屋上の扉が開いた。


「晴香‥‥‥‥。」


さ、つきちゃん‥‥!?
今の、聞かれて、た?


逃げなきゃ!!


すぐに立ち上がり、桃井さんの隙間を通って屋上から出ようとした。
しかし、今吉先輩が私の腕を掴み、逃げられないようにした。


「おぉっと。ワシが介入するのはあんまええとは思わんけど、あんたらは話し合わなあかんと思うで?」

「ごめんね。私が頼んだの。」


えっ?


申し訳なさそうに眉を下げていた。


『わ、私には話し合う必要なんてない。』


「私にはあるの!!‥‥聞きたい事、いっぱいあった。私たち‥‥幼馴染みじゃないの!?相談してよ!!」


幼馴染み‥‥‥‥確かにそうだ。私たちは幼馴染みだ。
だけど‥‥



『幼馴染みでも言えない事はあるんだよ?桃井さんにはもうバレちゃったから言うけど、女子バスケ部の人たちに悪口を言われてた大事な幼馴染みを、そんな危険なとこに放り込むわけないじゃん。』



それこそ察してよ‥‥‥‥
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