大切なあなたへ

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全中出場が決まって部内の雰囲気も引き締まってきた。


そんなある日


大輝君がなかなか部活に来ない。

どうしたんだろう。
いつもなら一番二番を争うくらい早く来るのに‥‥‥‥


「晴香。探しにいってくれない?私今手が離せなくて‥‥。」


さつきもほんとに急がしそう。
私はちょうど手が開いたし。

『うん!じゃあ行ってくる』


そう言って、私は大輝君を探しに走っていった。




とは言っても、今の時間帯、大輝君のいるところなんて想像がつかないな。

教室?

中庭?

更衣室?

うーん‥‥‥‥


あ、屋上!!
最近、お昼食べに行くときとかによく利用してる穴場スポット。


あそこにならいるかな?

ーーーーーーーーーーーーー


あ、扉開いてる。
やっぱここかな?


『大輝く「あの!」』

あれ?
大輝君じゃない?

女の子‥‥‥‥かな?


「‥‥‥す‥好きです!!」


うわー!!
告白の現場聞いちゃったよ。
可愛らしいな、あの女の子。


顔真っ赤にして俯いてる。
恋してます!って感じ。


さてさて、相手の男の子は‥‥‥‥


「悪ぃ、オレ好きな奴いんだよ。」




大輝君だ‥‥‥‥。


モヤァ


??
なんだろ。なんかモヤモヤする。


「や――りさ――さ―で――?」
「―――好き―――さつき――――。―――だ。」


なんか、いやだ。
大輝君に好きな人‥‥‥‥。
やっぱりさつきちゃんかなぁ。

なんか名前出てたし。
最後の方は風の所為でほとんど聞こえなかったけど。



うーーーあーーー!!

なんか訳わかんない!!



ガチャ


「『あっ。』」
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