大切なあなたへ

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さつきちゃんを探して、どれくらい経つだろうか。

全く見つからない。

おかしい。
おかしすぎる。

学校中は隈無く探したはずだ。

それでも見つからない。


そして、1階の端の方にあたる女子トイレからくぐもった声が聞こえてきた。


「ーーーーーーーっっっっ!!!」



『ねぇ、大輝君。』

「あぁ、俺も聞こえた。」

もしかしたらさつきちゃんだろうか。

私達は声のする方へと向かった。


さつきちゃんかもしれない。
そう思いつつ、トイレの中へと入った。


声がしているのは、一番奥の個室トイレだった。

そこにはモップで固定してあり、中からはでられないようにしてあった。



「誰かいるのか!?」


大輝君がトイレの中にいる人に話しかけた。


「!?ーーーーーーー!!!」


やっぱり声が聞こえる。

『さつきちゃん?さつきちゃん!?』

もう頭の中にはさつきちゃんのことしかなかった。
一番奥の個室の前へと行き、ドアを開けた。

そこには、さつきちゃん…



ではなく、さつきちゃんと仲の良いりっちゃんという子がいた。
前にさつきちゃんに紹介された子だ。
りっちゃんは口をガムテープで塞がれ、両腕、両足ともにロープで縛られていた。

どうみても、誰かに閉じ込められていた。

『りっちゃん!?何があったの!?』

私はりっちゃんの側へとより、ガムテープとロープを取った。


「プハァさ、さつきが!!!さつきを助けて!!!」


もう、嫌な予感しかしなかった。


さつきちゃんがいなくなってから、40分くらいは経っているだろうか。

私達がさつきちゃんを探しにいったあと、少し経ってから征十朗君たちも探してくれていた。

事が事なので、征十朗君たちに連絡をし、警察に通報した。

私はもう頭が真っ白になっていた。

大輝君もさっきとは比べ物にならないほど焦っている。


それもそうだろう。

さつきちゃんは‥‥‥‥




誘拐されていた。
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