SHORT STORY

□噂
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小学生の頃、さつきが風邪で早退しちゃって、2人で帰ったときの事。










私が道路でこけそうになった時、大ちゃんが私の腕を掴んで止めてくれた。




そこまではよかった。


けど、その後にぐいっと引き寄せられて抱きしめられた。
それを、クラスの男子に見られたのだ。









翌日から、私達はからかいの的にされた。
もちろん、私は説明したし、否定もした。





付き合ってなんかないって。








けど、大ちゃんは何も言わなかった。
否定も、肯定も。



それどころか、私が友達に説明をしているところに遭遇すると、決まって悲しい顔なんてするもんだから、余計に友達も本当だと思い始めた。









”ほら、彼氏が困ってるよ”って。




















中学に入って、私は自分から大ちゃんに話しかけるのを止めた。
部活も、2人はバスケ部に入ったけど、私はバレー部に入った。



強豪のバスケ部は練習が終わる時間もかなり遅い。それに加え、自主練までしている大ちゃんは、帰りが8時になるときもある。

それに付き合って、さつきも遅くまで残ってるもんだから、噂が立った。











さつきは、

「違うよ、私はテツ君一筋!」

なんて照れながら言ってた。


大ちゃんも、今回は違うと言っていたが、言うのが面倒になったからか、噂を本当にしたいからなのか、は知らないが、飛び交う噂には頓着しなくなった。


さつきが黒子君を好きだから、きちんと言えないのかな。

”好き”って。
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