SHORT STORY
□テスト勉強
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はぁ。
行っちまいやがった。
「つか、さつき。お前も反論しろよ。何黙ってんだ?」
さつきがなんか言ってくれれば、三城に理解させることくらいできただろうに。
「んー、ちょっとね。考え事してて。」
あ?珍しいな。
思ったことくらい、すぐに口に出すくせに黙りやがって。
「李璃って顔にすぐ出やすいくせに、口では上手く言えないんだなぁって思ったの。」
「なんだよ。全部わかってみてぇなこと言ってるけど、なんか知ってんのかよ。」
「まぁね。」
知ってるけど自分の口からは言いませんってか。
さつきもほんと頑固だよな。
「まぁ、いいか。赤点とっても補習だけだろうし。」
いかねぇけど。
「絶対行かないでしょ?それでこの前先輩たちが必死に先生説得させたり、課題やったりしてたんだから!!!」
んなこと言っても分かんねぇもんは分かんねぇしな。
何とかなるだろ。
それに
「オレがいなきゃ勝てねぇ試合とかあるからだろ?別に手伝えって言ってねぇよ。」
勝手にあいつらがやってるだけだしな。
「じゃあ、李璃に勉強教えてもらおうよ!ついでに私も教えてもらおぅっと!」
「はぁ?」
何言ってんだ?
お前のノート借りるくらいだからお前よりは下なんだろ?
「その顔は李璃のことバカだと思ってるんでしょ?頭いいんだから!!学年3位よ?」
「そんな頭いいのかよ!?」
じゃあなんで
「今回はたまたま李璃の苦手なところがテスト範囲で、そこが私の得意分野だったの。」
へぇ、それで。
「ってことで、今から行こう!!」