ずっとキミを想ってた
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「空と話してると、ホント時間が早く過ぎるよな。」
『そう?特に大した話はしてないけど。』
「大した話をしてなくても、楽しいんだよ。ほら、もうお前の家だぜ?」
あ、本当だ。と呟く私の目の前には自身の家が立っていた。
『いつも思うんだけど、上がってかないの?』
まだ明るい時間帯でも、必ず家まで送ってくれる火神君に申し訳なくて、
家に上がって。
と毎回言うのだが、その度に断られるのだ。
『毎回送ってもらって、何もしないって言うのはあれだし。お母さんだって、火神君なら歓迎すると思うよ?
ご飯も食べていけばいいのに。火神君、一人暮らしなんだし。』
「別に構わねぇって。オレがどれだけ食うか知ってるだろ?」
まあ、知らないわけじゃないけど‥‥‥‥
ガチャ
「空〜?家の前で何してるのよ‥‥‥‥っと、えーっと彼氏さん、かな?」
火神君と私の会話の間に入ってきたのは、お母さんだった。
とりあえず入って、という母に、火神君は入らざるを得なかった。