ずっとキミを想ってた
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か、っこいい。
ホテルの中に入ると、先に来ていた男の人が、私より少し大きい男の子を連れて近付いてきた。
目や、髪の色は青くて、肌が黒く、いかにもアウトドアスポーツが好きです。っていうかんじの男の子だった。
「娘の空です。」
お母さんに紹介されたときは、思わずパッと後ろに隠れてしまった。
初めて会う男の人を見て、気恥ずかしかったからだ。
そんな私を見かねて男の人が、クスリと笑い、私を安心させるように初めましてと挨拶をしてくれた。
「年は同じだけど、うちの大輝の方が少しだけお兄さんなんだよね?ほら大輝、アイサツは?」
男の子がお父さんに背中を押されていたが、男の子はアイサツしそうもなかったので、先に私がアイサツをした。
『えっと、よろしくね?』
ニコリと笑ってアイサツをしたのだが、男の子はピクリと眉を上げた。
「うるせぇ、お前なんか嫌いだ。よってくるなブス。」
ぶ、ブス‥‥‥‥
ゴチッ
「いってぇ!」
「大輝!」
「だって、お母さんよりブスだから、本当の事言っただけだ!!」
「お母さんの事は諦めなさい!!」
ブス‥‥‥‥
私は、ブス‥‥‥‥‥‥
「なんで、ブスな奴と一緒に暮らさなきゃならないんだよ!
こんな、ブスと!!」
『‥‥‥‥‥‥』
私のことをブスとしか呼ばない大輝に私は立ちすくみ、涙が溢れてきた。
「お母さんよりブスな奴とくらすくらいなら、オレは”いえで”する!!」
「大輝ぃ!!」
ゴチッ
私に悪口を言い続ける大輝を新しいお父さんは、拳一つで黙らせることができた。
しかし、出てきた涙を止めることは出来ずボロボロと溢れてきてしまった。
『う、うわーんっ』
「謝りなさい!!」
結局この後、大輝がお父さんと一緒に私のうちに引っ越してきた。
そして、私の名字も ”青峰” となった。