大切なあなたへ
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「なぁ。何で俺を避けてた?」
俺は、さっきよりできるだけ平静を装い、聞いた。
しかし内心は、今すぐにでも揺さぶり出したかった。
「なぁ。」
再び聞いた。
『……………。』
しかし佐倉は俯いたままだ。
どれくらい、この沈黙が続いたのだろうか。
諦めたのか、佐倉が口を開いた。
『青峰君。バスケ、楽しい?』
質問をしたのは俺のはずなのに、あいつからは質問が返ってきた。
「俺が質問してんだ、答えろよ!」
しかし、返ってきたのはやはり質問だったのだ。
『楽しい?』
苛立ちが募る。
「1 on 1。お前が確かめろ。」