大切なあなたへ

□9
1ページ/3ページ




「ちーすっ!」

「「「「「「ちーすっ!!」」」」」」


今吉先輩と一緒に体育館へと入った。

もちろん私を知らない人はこの中にいないだろう。
だからこそ、皆わたしをみていた。


集合!と、声をかけて今吉先輩が部員たちを集めた。


「今日からマネージャーしてもらうことになった、佐倉や。来うへん日とかもあるけど、それは条件やから、そん時は気にせんといつも通りに練習してな!……あ、後こいつはキセキの世代のか『佐倉晴香です。よろしくお願いします!』酷いなぁ。」


どっちがですか。
ありもしないこと言わないで欲しいんで すけど。


『ここにはいることは不本意ですが、やるからには本気でやらせてもらいます。 私の仕事は皆さんの練習相手ですので、 覚悟してください。』


ざわざわしだした。 女子が男子の練習相手になるわけがな い。とでも思っているのだろう。

まあ、普通ならそう思う。 私もそれは同感だ。


だから、まずは私の実力を見せなければならない。


『誰でもいいです。二人、かかってきてください。2 on 1しましょう。』


何言ってんだ。無理に決まってるだろ。 なんて口々に聞こえる。

「まあええやないか。誰もいかへんねん やったら、若松、桜井!やってくれる か?」


驚いた表情をしていた二人だが、キャプテンが言うなら。と言って、前に出た。


「こいつらはスタメンや。相手にとって 不足なし、やろ?」





そうして始まった、2 on 1。

最初はそっちからでいい。と言われ、 ボールを受け取った。

ダムダムとボールをつき、二人を見た。


本気は出してはこないと思っていたが、 やるからには本気で。ということだろう。

真剣な表情だった。


ドリブルを早め、抜く準備をした。 それを見た二人は、重心を下げ、構えた。

個人だと隙があって抜きやすいが、二人だとその隙をカバーしあっているので、抜けない。



しかし、隙がないのなら作ればいいだけだ。


私は目線、足、手にフェイクを6つ入れた。

当然、どういくか分からなくなるため、動揺し、隙ができる。


ヒュッ


同時に抜いた。


「っ!?くっそ、このやろ!!!」
「わっ!?す、スミマセン!!!」


追いかけてきた二人を確認しつつ、ス ピードを緩めた。

そして、二人が追い付いたのを確認すると、一度急停止し、一気にスピードを上げた。


「なっ!チェンジオブペース!?」
「速いっ!!」


その後、桜井くん?が必死に止めようとしたが、ターンで抜いたり、股の下にボールを通したりして抜いた。

そして、思い切りジャンプしてダンクに持っていこうとしたとき、若松さん?が食い止めようとした。

それを寸前でかいくぐり、シュートを決めた。


「うそ、だろ!?スクープショット!?」
「青峰さんと、同じ‥‥‥‥!?」



『That's wishful thinking!』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ