大切なあなたへ
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「佐倉さん、先輩に暴力ふるったって聞いたけど、本当なんですか?」
さっきのことはすぐに先生に報告され、職員室に呼ばれた。
何も感じなかった。
ただ、あの時近くにいた2人が私を見た時
心がズタズタになった気分だった。
「学年で入学テスト、中間ともに10番以内には入ってて、バスケ部でも期待の1年だって言われてたんですよ?何が不満だったんですか?」
不満なんてあるはずない。
ただ‥‥‥‥
『もう、どうでもよくなったんじゃないですか。』
自分自身に嫌気がさす。
「はぁ‥‥‥‥。今までの態度を考えて、停学はなしとします。ただし、バスケ部の先生、主将さんから退部を言い渡されています。」
2人を羨ましいと思う自分に‥‥‥‥。
「ほら、あの子。先輩を叩いたんだって。」
「うわ、恐っ」
「なんか、先輩たちを呼び出して、スタメンにさせろって言ってスタメンになったらしいよ」
「あの子に近付いたらすぐに殴られるって噂だよ。」
いたい。
バシャッ
バシッ
「もう学校止めなさいよ!!」
「先輩いじめるとか最悪ね!!」
「先輩たちはもっといたかったんだから」
どこが?
体?心?
わからない。
でも、一番いたいのは
2人を見るとき。
全てがいたくなる。