SHORT STORY
□噂
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”青峰って桃井と付き合ってるんだってさ。”
噂っていうのは、どこに行ってもあると思う。
いい噂も、悪い噂も。
私にとって、この噂はハッキリ言ってかなり迷惑だ。
まぁそれは、この噂に限らず全ての噂に当てはまる事なんだけど。
本人達からしたら、嘘でも本当でもかなりの迷惑だと思う。
何の為に噂なんか流すんだろう。
面白いから?
なんてはた迷惑。
そんなの流すくらいなら、自分の武勇伝でも流した方がよっぽどマシだろうに。
というより、今回の噂は2人も悪いと思う。
あんな風に2人で登下校したり、廊下に並んで歩かれたら、嫌でも噂は出てくるしね。
「あ、李璃!!おはよう!」
『おはよう、さつき!』
とかいう私は、噂を流された事がない、ワケではない。
体験した事があるから、嫌なのだ。
今、声をかけてきたさつきちゃんは今回の噂の人の一人。
そして、私の幼馴染み。
小さい頃から一緒にいて、おままごとや着せ替えなどして凄く楽しかった。
「はよ。」
『‥……‥おはよう。』
そして、この人も私の幼馴染み。
バスケばかりしてて、バスケの事しか考えてない人。
けど、ちゃんと私達の事も考えてくれてて、優しいところがある。
けど、私が噂をされたのは、この人のせいでもある。