SHORT STORY

□期待なんてしてない
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私には彼氏がいる。



付き合って1ヶ月。




まだ日も浅い。




それはわかっているが‥‥‥‥。










『大輝、好き。』
「‥‥ん。」





一度も彼から”好き”と聞いた事がない。





告白したのは私だ。
大輝は別にいいぜ。と言ってオーケーしてくれた。しかし、実際は大輝が私を好きかなんてわからない。



むしろ私より、あの桃色の髪をした彼女の事が好きなんではないだろうかと心配になってくる。






『大輝。』
「?さっきからなんだよ。」
『‥‥‥‥何でもない。』
「なんだよ。気になるだろ?教え「あーっ、いた!!」んだよさつき‥‥‥‥。」






また来た。

大輝を連れにきたんだろうな‥‥‥‥





「今日は部活に来てよね!?」
「やだよ面倒くせぇ。一昨日行ったろ。」
「毎日行くものなの!!それに練習してないし!!」






私と大輝はこういう口喧嘩みたいなのもした事がない。
しない方がいいのかもしれないが、こういうのを見てると羨ましくもなる。






大輝に何でも言える桃井さんがすごく羨ましい。







諦めたのか、桃井さんは帰って行った。








「ったく、ほんと邪魔すんなよな。うるせぇし。」





そう言って、大輝はさっき読んでいたマイちゃんの雑誌を再び読み始めた。






ここまでくると、大輝は私の事が好きじゃないような気がしてくる。



一応付き合ってはいるのだから、嫌いではないのだろう。



しかし、それが遊びだったとしたら‥‥‥‥?

もし、私の事が好きなのかと聞いて、好きではないと言われたら‥‥‥‥?





それが怖くて聞けないのだ。
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