ずっとキミを想ってた
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「それじゃ、もう帰るわ‥‥です。助かったっす。」
「こっちこそ無理言って泊まってもらったんだから、気にしなくていいわよ。またウチにいらっしゃい。」
「うっす。」
昨日の夜は、特に何事もなく過ぎていった。
二人はあんまり仲良くないみたいだし、喧嘩すると思ってたんだけど、余計な心配だったみたい。
「空、そこまで送っていってあげなさい。」
『はーい。』
「あ?いいよ別に、子供じゃねぇんだから‥‥です。」
ダメダメ、
『火神君はお客さんなんだから、遠慮しちゃダメだよ。』
「あー、はいはい。わかったよ。」
『それじゃ、先に外に出といて。ちょっと用意してくるから!』
「おー。」
帰りにちょっと本屋にでも寄って、参考書買いに行こう。
えーっと、財布とカバンは‥‥‥‥っと、
「ほらよ。」
『あ、ありがとう‥‥‥‥。』
やっぱり大輝といるのはちょっと抵抗があるかも‥‥
気まずくなるし。
「あのさ、火神送った後で、俺の買い物に、付き合ってくれねぇ?」
『え?』
大輝の‥‥‥‥‥‥?
「ぅぁ、え、い、いや、別にいいんだ、無理なら。」
『ううん、行く。行きたい!』
初めてだ。
大輝から誘ってくれるなんて、こんな嬉しい事はない。
やっと仲良くなれるかもしれない。
「ほら、行くぞ。」
『うん!』