ずっとキミを想ってた
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あれから、大輝は桐皇学園と言う所へ推選をもらい、寮へと入っていった。
入学してから今日まで、家に帰ってきたことはない。
けど、”寂しい”という感情はなかった。
ただ、私の心にぽっかりと穴が開いたようだった。
私は偏差値の高い高校へは行かず、家から徒歩で行ける学校へと入学した。
「空!」
『火神君。』
誠凛高校の門の前で、他の人より頭一つ分高い火神君が、私の名を呼んだ。
『今日、部活ないの?』
「休むことも大事!だとよ。つまんねぇよな。バスケしないと物足りねぇし。」
『やっぱりバスケバカなんだね。』
「うっせ。」
火神君とは入学当時からの仲で、黒子君の知り合いだったことと、席が隣同士だったこともあり、話していくうちに仲良くなったのだ。
大輝と同じくらいの身長だったので、大輝2号だ。と思った。
それを口に出したら、黒子君には笑われて、火神君には怒られた。
「そういえばさ、お前バスケに興味ないのか?」
どこから出してきたのか、ボールをくるくると指先の上で器用に回しながら聞いてきた。
バスケはやったことがないわけではない。
しかし、小学校や中学の体育の授業でかじった程度の実力なのに、それを面白いとは思えなかった。
『まぁ、別に嫌いではないよ。』
「そんじゃ、ちょっとそこ寄ってこうぜ。」
指を指した先にはバスケットのコートがあった。
あまり人目につかない場所にあったため、人気が全くなかった。