ずっとキミを想ってた
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〈ぜったいにはいるな!!はいったらぜっこうだ!!〉
『(大輝‥‥‥‥寂しいんじゃないのかな。)』
カギのかかった大輝の部屋のドアを見て、私は思った。
実の父が亡くなったのは私が物心つく前で、あんまり記憶にない。
けど、お母さんに聞いたら、大輝の実の母は目の前で家を出て行ったらしい。
そして大輝は知り合いが誰一人いない、学校へと転入した。
『私たちは家族なんだから、頼ってくれればいいのに。』
ぼそりと呟いた声は、部屋の中にはいない大輝に、聞こえるはずもなかった。
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「ねぇ見てみて!もう仲直りしてるよ!」
「本当だ!男子って単純だね。」
私たちは、仲良くなれないのかな。
大輝と家族になれたの、結構嬉しかったんだよ?
「すっげぇ、今のどうやったんだ!?」
「頑張れば、ダンクとかも出来んじゃねぇの!?」
一人っ子だったから、お兄ちゃんが出来るって凄く楽しみだったの。
大輝に何か出来るなら、してあげたい。
「近くにあるストバスで強ぇ人たちとやってたんだ。」
もし、それで大輝が笑ってくれるんだったら
「オレに、シュート教えてくれよ!」
「オレにも教えてくれ!苦手なんだよな。3Pとか出来るか!?」
すごく
「そんじゃ、帰りにストバス寄ってくか?」
すごく
私は嬉しくなると思う。