依存している。

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「お前はわしの孫なので!!!この島で捕らえるのはやめた!!!――と軍にはうまく言い訳しておくので安心して滞在しろ」

「言い訳になってないので『逃げられた』ことにしましょう」



宿の壁もすっかり元通りになり、海軍組は帰る私宅をして麦わらの一味の前に佇んでいる。



「何よりワシは二人の付きそいなんでな。こいつらとはまァ……ゆっくり話せ」

『え、あんたが会いに行きたかったんじゃないのか!?』

「あー、あれは適当じゃ」

『あっそ……』



大方、コビーとヘルメッポとルフィとの関係を話すのがめんどくさいから一番簡単な理由をでっち上げて伝えたのだろう。
長い付き合いだ、アルトの考えは普通に合っていた。



「わし帰る」

「うん、じゃあな」

「軽すぎるわァー!!!」



と理不尽にルフィを殴るガープを置いて、アルトはヴァクトに帰ることを促す。
するとヴァクトはある『仕事』をアルトに伝えた。



「今本部から連絡が来まして。『ウォーターセブンにいるついでに、この先にある“スリラーバーク”という島の視程に行って来い』とのことです」

『え、なにそれめんどー』



いきなりの指令にめんどくささしか感じないが、上官からの指令なのでしょうがない。
無断旅行の後だ、何を言われるかも分からない。
ヴァクトの顔に軽くデコピンをしてみる。
完全に八つ当たりなその行為にヴァクトは少し荒々しくアルトに止めるよう言ったが、それを無視して髪の毛をぐしゃぐしゃにしてみせた。



『じゃあガープ中将に言っておいて。おれ行ってくるからさ』

「一人で大丈夫ですか?」

『一人の方が気が楽だ。お前にデスクワークを全部任せられる』



軽口をたたきながらヴァクトに背を向けて右手をふったアルトはそのまま港に向かって歩き出した。



仕事が多いのは信用されている証拠として良いことなのだとヴァクトが言っていた。
だが、アルトは自分の場合がそうではないと思っている。
いつもふわふわしていることや過去のことを考慮した海軍の連中は多分、自分のことを警戒しているのだろうと。
海軍的な仕事を押し付け、無理やり自分がここの人間だと分からせているような感じ。
人一倍雰囲気や人の感情を察しやすいアルトはそうなんだとずっと思っていた。



――こりゃあ、結構イタいな…。



ホーキンスの占いを思い出した。
居場所選びというのは多分、海軍に居座るかどうかのことだろう。


これから起こる最悪の惨劇を一つ一つ想像してみてもやはりピンとこない。


自分を見失う。
友達を失う。
想い人を失う。



そこまでリアルに想像したところで、アルトは気をしっかり保つように自分の頬を叩いた。


ウォーターセブンの地を蹴り、空に飛び立てばイヤなことを考えなくて済むかと思い出港を急いで現在は空。


イヤな考えは今後を主張するように消えてはくれなかった。









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