依存している。

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久しぶりに降り立ったウォーターセブンは、アクアラグナによる被害を補うため、町中の男が働いていた。


アルト達が通るたびに人々がざわめき、中には「おい、やばいんじゃないか」という声も聞こえる。
どうやら町の人間がルフィ達を庇っているようで、噂で聞きつけたルフィ達の休む宿についたころには何十人もの男が引きとめようとした。


痺れを切らせたガープは、コビーとヘルメッポに入り口で待つように言い、アルトを連れて宿の壁に思い切った頭突きをかました。


「何だ……!!!」

「誰だァ!!!」


中では、いきなりの衝撃に驚いた一味が奥で眠っているルフィを庇おうとしている。
ガープはルフィに静かに近づき、頭を思いっきり殴りつけた。


「い!?痛ェ〜〜〜!!!」

「痛ェ!?何言ってんだパンチだぞ今の!!」


――覇気を知らないのか…?


「愛ある拳は防ぐ術なし!!」


――いや、覇気使ってないんかい!!


心中で軽く突っ込みを入れたアルトはガープの自己紹介に驚く麦わらの一味を見渡す。
どうやらアラバスタの一件からニコ・ロビン以外の仲間は入れていないらしく、見慣れた顔が揃っている。
一人足りない気がするが良いことにした。



「ルフィ!本当にお前のじいちゃんか!?」

「そうだ!絶対に手ェ出すなよ!!!!殺されるぞ……!!!おれは昔じいちゃんに何度も殺されかけたんだ」

『あんた…実の孫に何したんだよ…』

「おいおい、人聞きの悪い事を言うな」



谷に突き落とし、夜のジャングルに放り込み、風船に括りつけて空へ飛ばす。
どこが人聞きの悪いことなのだろうか。
想像しただけでも頭が痛くなるような事態ばかりだ。
アルトは少しだけルフィを哀れんだ。



「わしはお前を強い海兵にする為に鍛えてやったんじゃぞ!!!!」

「おれはずっと海賊になりてェってずっと言ってたじゃねぇかよ!!!!」

「“赤髪”に毒されおってくだらん!!!」

「シャ…シャンクスはおれの命の恩人だ!!悪くいうな!!!」

「じいちゃんに向かって“いうな”とは何事じゃ!!!」

「ギャ―――ごめんなさいっ!!!!」



ルフィの胸倉を掴み、今すぐにでも殴りかかりそうな勢いのガープを止めなければならないと、アルトは喧嘩する二人に近寄る。



『ちょっと…そこまでにして…』

「「ぐがーっ!!」」

『寝んのかよ!!!!!!』



激しくツッコミを入れたアルトは少し羞恥を覚えながらガープの肩に手を置いて揺する。
一味からは同情の視線が少し当たり、泣きそうになったのは自分だけの秘密だ。



『起きろー!!ガープさんかっこ悪いからまじで起きて!!!』

「おお…イカンイカン寝ておった!!」



やっと目を覚ましたガープは目の前で眠りこけるルフィを目にし、怒鳴りつけ、殴りつける。
ルフィの叫び声が木霊し、この部屋にいる全員の傍観者がアルトとまったく同じ思考を持った。



――……もう勝手にやればいい








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