依存している。
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意識を取り戻した王女様は助けを呼びに外に出てしまった。
今ここにいるのはバナナワニと檻にいるおれ達だけである。
軽くピンチ。
『まずいな。おれ泳げないのに』
「あぁ、まずいな」
『しかも泳げる人海賊サイドだぜ?おれら絶対ここに取り残されるな』
「なんでそんなに落ち着いてるのよ!!」
『落ち着いてないよ』
ほら足がもう水に浸かっちゃって力が出ない、とぼやくとオレンジ髪の女の子にため息をつかれた。
「おいお前ら…」
「なんでてめェそんな余裕なんだよ!!!」
「お前らどこまで知ってるんだ……クロコダイルは一体何を狙ってる…!!!」
『クロコダイルの隣にいた子、懸賞金7900万の賞金首でさ。政府が何年も追ってるんだよ。クロコダイルと手を組んで何やってるのかは知らないけど…』
「あの二人が手を組んだ時点でこいつはもうただの国盗りじゃねェ。放っときゃ世界中を巻き込む大事件にさえ発展しかねねェってこった」
今おかれている状況のほかにも外の状況の恐ろしさを改めて知った麦わらの仲間達は驚いていた。
それも無理はない。
「何言ってんだお前ら…あいつをブッ飛ばすのに…!!!そんな理由要らねェよ!!!」
麦わらは仲間思いの良い奴らしい。
『ねぇ、君剣士だよな?一人の剣の腕でダメなら二人で檻を斬ってみない?』
だからおれも協力することにした。
『水のせいで多少、力はでないけどやってみるだけ損はないと思うんだが』
「…お前も剣士なのか?」
『剣士ってほど大層じゃないけど剣は使うよ』
緑髪君は目で「剣なんてどこにあるんだ」と訴えていた。
おれはその視線に気づいたので剣を隠してある場所を教えてやる。
『妖刀・月下光。月の下に光ありってね。体内に出し入れ可能で大小を決めることもできる。死ぬまで持ち主の体の一部になる』
おれの左手のひらから現れた普通の日本刀サイズの月下光を緑髪君はまじまじと見つめた。
たしぎちゃんが興味をしめしていた妖刀だ。
やはり剣士であるなら興味があるらしく、彼も無愛想にこの刀を眺めている。
無言で視線を絡ませあい、合図を出して抜刀。
檻を斬ろうとした瞬間、目の前のバナナワニが吹き飛んだ。
「オッス、待ったか!?」
どうやらプリンスの登場らしい。
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