依存している。

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真っ黒な海楼石の檻の中。


おれとスモーカーは隣同士で座っていた。


敵を前にして。



麦わらの一味4人に、七武海サー・クロコダイル。



「サンジのマネ『肉くったのお前かー!!』」

「まじめに捕まれ!!!」



そのツッコミも結構おかしいと思うのはおれだけだろうか。
というかサンジという人を知らないためその物真似が似てるのかどうか分からない。
長鼻君が大爆笑してるから似てるのかもしれないけど。



オレンジの髪の女の子が仲間3人とクロコダイルに掴みかかるような威勢で叫んでいる。



「そういやお前、昨日空飛んでたよな!!」

『あー、おれ悪魔の実の能力者なんだよ』

「お前すげェな!!おれの仲間になれよ!!」

「勧誘すんな!!」



オレンジ髪の女の子が麦わらに殴りかかった。



「こいつは海軍なの!敵なの!!」

『そんな感じだから君の船には乗れないなー』



否定の言葉を返せば麦わらは口を尖らせて残念そうな顔をした。
反応がまだまだガキだ。



『くふふ、おれ勧誘されちゃった♡』

「…そうかよ」


スモーカーの反応はつれなかった。
ヴァクトならもっと良い反応してくれるんだけどなぁ…。



「一つ言っておくが麦わら。こいつは“中将”だ。お前ごときじゃ扱えねェよ」

「ちゅ…中将!?格上じゃない!!」

「そんなにすげェのか!?お前やっぱりおれの船乗れよ!!」



それは無理な話だ。
おれには追っている人間が――一番気になっている人間がいる。



なんだかクロコダイルを前にしてする話じゃないような気がした。



「“黒鬼”のアルト中将は随分と人気だな」

『あんたも随分良い思いしてるみたいじゃん』

「クッ八ッハッ、気の強い奴は嫌いじゃねェ」

『あんたに好かれても嬉しくないね』



段々と檻に近づいて来るクロコダイルにおれも近づく。
顔と顔が檻を境にするところまで近づいた。



「女みてェな面してやがるな」

『うるせェ』

「どうだ。B・Wに入らねェか?」

『お断りだ』

「なら死ね」



クロコダイルの冷たい言葉にオレンジの髪の子が声を荒げる。
このままだと殺されてしまう、と。



「そうやって今のうちに余裕かましてるといいわ…!!こいつらがこの檻から出たらあんたなんか雲の上まで吹き飛ばされておしまいよ!!そうでしょ!?ルフィ!!!」

「あたりめェだこのォ!!!」


檻から離れ、椅子にどかりと座ったクロコダイルは足を組んで高笑いする。



「……ずいぶんと信頼ある船長の様だな麦わらのルフィ…。……信頼…この世で最も不要な物だ」



Mr,0。


彼は本当に愚かで。

理不尽で。

可哀想で。


人間の汚いところを全て集めて具現化したような人間だ。


金でなんでもできると思っていそうな。


人を信用していないような。




ただのつまらない男だ。










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