依存している。

□08
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闘ってみたいと願った数分後。
おれは火拳と闘うことができそうな雰囲気だった。



『麦わらとどういう関係だ?』

「兄弟だ」

『一人でおれら全員を相手するつもり?舐められてんなぁ』



おれやスモーカー、そして何十人もの海兵。
こんな大人数を前にして余裕を見せられるとはたまったもんじゃない。



「“止めといてやる”とは言ったが“闘う”とは言ってねェぞ、おれは」

『あっ…』



燃え盛る火の盾。


逃げられた。



『んー、ま、いっか』

「よくねェだろ!!」

『だってさー、おれが狙ってる首、あいつじゃないもん』

「そういう問題じゃねェだろ!!」

『君だって“お前の首は興味ねェ”とか言って火拳そっちのけで麦わら追いかけてたじゃねェか!!』

「くっ…」



よっしゃ、言い負かした。



小さく声を漏らしたスモーカーは近くにあった箱に腰を下ろした。
おれもその隣に腰を下ろす。



「スモーカーさんっ!!遅くなりました!!」

「すみませんアルト中将!!」

「たしぎ、てめェどこに行ってた…」

『遅かったねヴァクト君』



一人の海兵の話によると二人は町の反対側にいたらしい。
慌てて話を遮ろうとする二人に笑いが込上げてきた。


可愛い部下達だと呟けば「手のかかるだけだ」とスモーカーはまんざらでもなさそうに煙を吐いた。


その煙を眺めていれば、さっきの麦わらの一味の姿がでてきて、一つの疑問にかられた。




『そういえば、麦わらの一味の中に海賊とは思えない上品な女の子がいた』

「……奴らと一緒に“ビビ”がいたんだ」

「“ビビ”…!!?」

「ネフェルタリ・ビビ王女…!!?」

『さっきの子はそれか…』



この国の王女様。

そして麦わらの一味と一緒に行動しているということは。



『どういうことだ?』

「それを今考えてる」

『ふぅん』

「さらに…この国には一人…イヤな男がいる…おれは“七武海”が嫌いなのを知ってるよな」

『サー・クロコダイル』

「でも彼は立場的にいえば政府や海軍の味方ですし」

「奴は昔から頭のキレる海賊だった。…大人しく政府に従う様なタマじゃねェんだよ、元々な」



七武海なんてそんなもの。

召集を無視する奴が大半で政府の言う事なんて聞きやしない。

まぁ、おれがもし七武海だったとしたら同じようなことをしているだろう。
現に政府の言いなりが嫌だからというのもあり“正義”を背負わない。




「たしぎ…これだけは覚えておけ…!!“海賊”は…どこまでいこうと“海賊”なんだ!!!」



なんだかその言葉が重く響いた気がした。









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