依存している。

□06
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仕事として派遣されたアラバスタ。



拾い砂漠が広がる熱気の漂う島。
スーツ姿でいるとクソ暑い。



「アルト中将、暑くないですか?」

『クソ暑い。溶けそう助けて』

「スーツなんて着てるから…」



呆れ気味にヴァクトは苦笑する。
だけどおれは知っている、こいつはこう言いながらおれのために服を用意してくれるできた部下だ。



『とりあえず昼ご飯食べてくる』

「分かりました」

『んじゃあおれ港町行ってくるから』



一斉に返事をする部下達を置いて一人上陸する。



しばらく歩けば港町“ナノハナ”に辿りついた。
香水の匂いが立ち込めて頭が痛くなる。


適当な店に入ると店内がざわめいている。



『どうしたんだ?』

「どうしたもこうしたも…あのお客さんが突然死んじまったんだ」

『突然死んだ?暗殺とかか?』

「いや、店主と会話してる途中でいきなり…」

「ぷほ!!?」

『死んでねェじゃん』



皿に頭を突っ込んでた男は死んじゃいなかった。
というよりあの背中の刺青は白ひげのジョリーロジャー…。


ポートガス・D・エースか。


面白いことになりそうなので適当な席について観察することにした。




適当に飯も食べてくつろいでいると店の中がまた騒がしくなった。
隣の人影を見れば見知った煙が立っていた。



『あれ、スモーカーじゃん』

「何やってんだよこんなところで」

『腹ごなしだよ』

「傍に海賊がいるのにか」

『すぐに捕まえるの勿体無いじゃん。観察してた』



深いため息をついたスモーカーはおれから視線を外して火拳の方へ歩き始めた。
失礼だなあいつ。


「“白ひげ海賊団”の二番隊隊長がこの国に何の用だ。“ポートガス・D・エース”」

「……弟をね、探してんだ」



ニヤニヤと顔に笑みを浮かべた火拳は爪楊枝で歯をいじりながらおれのところに来た。



「アンタはサバリー・アルト中将だな?噂は聞いてるぜ」

『そりゃどーも“火拳”のエースさん』



こいつから強さを感じた。


闘ってみたいと心から思った。









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