萌黄の風

□紅玉の月
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今日の月は燃えるように赤く、
まるでアイツの瞳を見ているようでイヤだ。



関東大会、立海大との試合で不動峰が負けた。
力不足だったかもしれないけど…兄が負けるなんて思わなかった。
兄の脚を壊したあの人を許すことなんて出来ない。
赤く染まる危険な信号。
ボールが凶器と化す瞬間…
アイツは笑った。

彼にもただ勝ちたいという純粋な気持ちがあるんだと思う。九州にいた頃の兄のテニスが切原のソレに近かったか ら。

だけどあの赤くなった瞳に宿る光が怖くてたまらない。
いつか私の大切なモノを奪っていく…魔獣の瞳ーー

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