Free!長編@(番外編)

□デジャブではない
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「ねえ!名前ちゃん!」






めぐみちゃんの声に思考を遮られ

私は強制的に頭を切り替えられた






ああ、ちなみに今日は

親友名前ちゃんは水泳部の方に行った

初めの少しだけここに顔出したけど

すぐにいなくなってしまった…寂しいよぅ








「なーに?」


でもめぐみちゃんたちだって

すんごくいい人たちだし優しいから

一緒にいて楽しいんだ

私も自然と笑顔になって応える








「これ!弾いてみてよー!ギターで!」



渡されたのはまた違う曲…それにギター…?

え…きっとカナちゃんが弾いた方が上手なのに…








「カナちゃんにお願いした方が上手だよ」


と言えば


「カナはさっき弾かせたけど最初の方しか弾けなくて!…お願い!」


と手を顔の前で合わせてお願いされた


うん、可愛い…じゃなくて…







「私も聴きたーい!お願い名前ちゃん!」


とカナちゃんも参加してきた


ゆきのちゃんに目を向ければ

一人黙々とキーボードの練習をしていた…










じゃあ…一回だけ頑張ってみよう…


「きっと上手には弾けないよ」


そう言っておいて譜面に目を向けギターを構える…








目で…譜面を全て捉える

頭にそれを、まるで英語から日本語に

変換するかのように…伝達する…

動き出した私の指…止まらないんだ…









読み込みと伝達…私の指の動きが終了したとこで


わーー!っと歓声が上がる


きっと私の奏でる音色は


誰がどう聴いても


なんの感情もないただの冷えた音なんだう





そんな音にも歓声を上げてくれたのが嬉しくて


私もついつい微笑む









すると、興奮したような2人は


次々とカバンから譜面を出す








「これ…!弾いてよ!」








薄めの本一冊にはなるだろう楽譜の束











これを…全部…弾く……!?








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