Free!長編@(番外編)
□それは君だから
2ページ/3ページ
名前の話を聞けば
どうやら今から秋の文化祭に向けて今から
張り切っている実行委員会からの電話だったらしい
名前は
「夏休み明けから練習があるんだって…」
としか言わなかったが
俺は実は、岩鳶の文化祭のあれこれを
すでに江から聞かされていた
その時は適当に聞いていたが
今まさに、それに直面しているのだ
―
「お兄ちゃん、岩鳶高校の総選挙って知ってる?」
「はあ?くだらねー、知るか!」
「岩鳶高校の美男美女を投票で5人ずつ決めるんだよ!もちろん本気!
それで、その5人ずつ2つのグループを作って文化祭でステージ発表をするの!」
「なんだそれ…」
―
つい最近した話だったから
適当に聞いたとはいえよく覚えている
つまり、名前はこの5人の中に選ばれたってやつだ
目立たねえとか言ってる割に、見ているやつは多いんだな
「で…名前は何位だったんだ?」
そう聞けば、ビクッと身体が跳ねる
「なんで…知ってるの…?」
小さな声で聞いてくる名前は
相変わらず俯いているが耳が赤い
「この間、江から聞いたんだよ
岩鳶の総選挙ってやつ、で何位なんだ」
名前は、ええ〜…と言って
俺にもたれかかってくる
「知らないよぉ……」
と拗ねるように頭をぐりぐり押し付けてくる
きっと相当恥ずかしいんだろうな
「いいじゃねえかどうせ俺も文化祭見に行くんだ」
と言えば名前はやだやだ!と
俺に更に抱きついて駄々をこねた
「恥ずかしい…」
と呟く名前、やっぱ可愛い
.