Free!長編@(番外編)

□聞きたいこと
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「で、次の質問な」


抱きしめたまま言うと名前もコクンと頷く







「お前に苦手なもんとか…あんのか?」






これは結構前からの疑問だ

名前は何でもできる、そう教えられたし

実際にみてきた…名前には

苦手なもの、できないこと、あるのか…?








すると名前は、何言ってんの〜と

身体を離し俺の顔をみてケラケラ笑う







「なんだよー」

じーっと名前の顔をみてやると

名前は笑いながら




「苦手なものくらいあるよ!人間だもの!」




どこかの詩人みたいにそう言う名前

あんのか?本当に…?





「じゃあ、なに?」

そう聞けば、名前は

え?知らなかった?この間一緒にいたのに!

ぷぅっと頬を膨らませた

その顔すっげぇ可愛い!…じゃなくて

…一緒にいた?





「え?悪い、いつだ」

本当に分からない





「一緒に、プールにいたじゃん〜!」

は?プール?普通に入ってたじゃねえか





「泳げねえのか…?!」

そう聞くと名前は





「カナヅチではないし、全く泳げないわけじゃないんだけど…

水泳は難しんだよねぇ…でもプールとかは好きだよ!」





ほほ〜…いいことを聞いた

名前の意外すぎる弱点をみつけた






「足がつかないと、どうしても怖くてさ〜

あの時凛君がいたからほんとよかったよ〜」






なんだか名前の弱い部分を聞くと

人間味を感じて少しホッとする






「じゃあ今度俺が泳ぎ教えてやる」

そう言うと名前は、やだー!と言って

「凛君、深いところで手離しそうだから!」

と何とも聞き捨てならんことを言いやがった

「ばか、しねえから!」

と突っ込むと、ふふふ〜と楽しそうに笑う







「他には…ねえのか?」

もっと聞いてみたい

そう思い聞いてみると

全然あるあるー!と話し出す名前







「じゃあ、当ててみてよ!私の苦手なもの」

無邪気に笑う名前

当てろだ〜?…まあ女が苦手なもんっつったら…






「…虫!」


「虫かぁ〜…触れないのもあるけど

別に嫌いではないよ、生き物だしね!」


なんだと…こいつ…

なかなかに強いじゃねえか…



生き物って類の選択肢はここで消えた







「…お化け屋敷!」


「人が作ったものだよ〜?怖くない怖くない!」


お前…現実味溢れること言いやがる

確かに言われてみればそうだけど…


名前がお化け屋敷か…

こいつずっとヘラヘラ笑ってそうだな

仕掛け人泣かせとはこいつのことを言いそうだ








「…わかった、雷!」

そう言うと名前がカチッと固まる



「う…うん…定番すぎてつまんないよね」


そう言ってへへへと笑う

雷が苦手なのか…可愛いな…


「正確に言えば、大きい音が怖いんだよねぇ」


苦笑いしながら笑う名前

一人暮らしのくせに、雷怖いなんて可哀想なやつ





「一人でいるとき鳴ったらどうすんだよ」

からかうように言ってやると

「んー、今までは布団にもぐってた〜」

あー容易く想像できる

「あ、でも今は…凛君に電話できるし…」

声聴けば絶対怖くないから、大丈夫

と顔を逸らしながら言う

卑怯な不意打ち…すっげぇドキッとした






「可愛いんだよ…名前は…」

顔を両手でつつみ、名前に唇を重ねる

今日初のキス…やっぱり幸せだ…







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