Free!長編@(番外編)
□お前が一番!
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2人でのんびりとソファでテレビを観ている
風呂もお互いとっくに済ませ
部屋着になっているから、もう寝るだけだ
テレビには、どうやら最近随分と人気があるんだろう
派手な格好のアイドルばっかり出ている
普段寮にいるし、別に興味のあることもない
だから、テレビなんてほとんど観ない
人気があるとか、テロップには
それらしいこと書いてあっけど
俺にはどうも、そうは見えない
街歩いてりゃどこにでもいそうな奴ばっかだ
可愛い格好してりゃ誰だってそれなりに見える
それよりか、俺の横にいる
部屋着の名前の方が格段に可愛い
これは彼氏としてのひいき目ではない
誰もが認める美少女なんだ、こいつは
サイドテーブルの上に、どうでもいいように置かれている
あらゆる事務所からの名刺たちがそれを確信させる
俺が横で歩いてる時でさえ
スカウトマンは名前にしつこい
仕舞いには俺まで巻き込まれることもしばしばだ
名前はもちろん全て断っている
名刺を押し付けられることもあるが
受け取ってはこうやってテーブルの上で放置だ
俺としては…ありがたいけどな
彼女がどこぞの知らない事務所に
好き勝手されてたまるかってーの
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