Free!長編@(番外編)

□驚きと幸せ
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この間は、すっげぇいい時間だったな…






名前の父さんも母さんも

すんげぇ温かくて…賑やかで

名前に似ても似つかない雰囲気だったけど…

やっぱり親子なんだな、顔とかちょっとした仕草はそっくりだった





それにしても、ずいぶんと破天荒な両親だったな…




いや…名前もそれに然りか…

ボールひとつで、男をはっ倒すんだもんな…




名前は抜けてる、とか

終始話していたけど…

いや、お2人もなかなか…って言いたい

天然の破天荒って…もう、誰も適わねえよ

















この間、名前の両親に会ったことを

寮のベッドの上でぼーっと思い出していた

気付くと顔が緩んでいて、先日の楽しさを改めて実感する







現実に戻り……今日は金曜日、夏休み中

土日の部活は原則休みだから

いつもその時間は名前の家で過ごす

頻繁に行くから、と名前の家に

置きっぱなしのTシャツが嬉しかったりする…








明日は名前に会える…一週間って

長ったらしく思えるが意外と早いもんだ

名前と会えない時間はそりゃ寂しい…

ヘラヘラ笑ってるあいつに、真剣な顔で

寂しい、なんて言いたくない…というか言えねえよ!












明日は少し早めに行くか

どうせ名前は早起きなんだ






早く会いたくてしょうがないと思うと

一気にその気持ちだけが加速する







早く名前に会いたい…






泳いでるときくれぇだよ…

寂しくないって感じるの…






楽しかった記憶から現実に戻る



明日には会えるっていうのに

愛してやまない名前のことを考えると

今のこの時間がすんげぇ恨めしくてため息が出る










今この場にアイがいたら

きっとひどく心配されるだろう

"どうしたんですか!凛先輩!元気がないです!"

俺は普段、そんなにはっちゃけた元気キャラかよ

と突っ込みたくなるほど、俺に元気を出せって

ぎゃあぎゃあ騒いで、うるせぇんだろうな

お前のその元気をわけてくれって言いたい…










アイが部屋に戻る前に

今のうちに思いっきりため息ついておこう











はあぁ〜……






自分で宣言しといて


いざ息を吐くとすんげぇ虚しい











ちょうどそこで部屋のドアが開いた音がした


あー先にため息ついておいてよかった


でもなー……


アイはいつも部屋に戻るなり


マネージャーのように次の部活の予定を言い連ね


その後、ほぼ一方的に俺に会話を仕掛けてくる





アイには悪いが…今はその一連の流れに

付き合ってられるほどのメンタルを持ちあわせていない





少し…目、閉じてっかな…



わりぃな、アイ








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