Free!長編@(番外編)

□それは君だから
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「えええええ!?ちょ、ちょっと待って!!」











名前の家に今日も来ている


夏休みってのはほんと、いい


こうやっていつでもいつまででも一緒にいれる










そう思っていたら、だな






今名前は突然携帯にかかってきた電話に出て

この叫び声をあげた

名前にしては珍しく本当に驚いたような

動揺しきっているような表情だ

どこか困っているようにも見えるが


名前は思わず立ち上がってしまったが

それでも聞こえる電話の向こう側の声

きゃっきゃとした女の声だ

きっと名前の友達なんだろう








「え…!いや…無理だって!ほんと!本当にー!!」







焦ったように、見えるわけでもないのに

手振り身振りをつけながら必死に話している




また、何かの助っ人に呼ばれたんだろうか

まったくこいつも不憫なやつだ…

そう勘ぐって名前の電話の終了を待つ












「でも…ううぅ…他の人にお願いしてよぉ〜…」







もう、悲しそうな声で話し出している

おいおい、大丈夫かよ

そんな無理なお願いされてんのかよ

ここまで来ると少し心配になるが

きっと俺がどうこうしていいことではないから

テレビを観ながら黙って名前の声を聴いている











「…ほんと…?うん…わかった…じゃあね…!」









そう電話を切るなり

携帯を胸にあてながらその場にぺたりと

力なく座り込んでしまった名前








がっくりと首が折れている

どうしたんだろうか







「名前…?どうした、なんだって電話だ」


そう言えば名前は


「うわーん!凛くーんどうしようー!!!」


と言って俺に勢いよく飛びついて来た


しっかり抱きとめてやって、どうしたと聞くと









「うん…あのね…」

と俯きながら話し出す






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