Free!長編@

□動き出す情熱
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昨日のこと…昨日見たあの子が

今日も頭から離れないんだ

脳裏に焼き付けられたあの笑顔

ほんの一瞬だったのに…おかしいよね

すっかり虜になってしまった




―また会いたい

―話をしてみたい

―俺のこと知ってほしい




ずっとこのことばかり考えていた

"好きになる"とは恐ろしいことなんだ

頭を全て支配されたような

その人のことしか考えられなくなる感覚

だけどどこかウキウキとした気持ちにもなる

恐ろしいけど、それ以上に

素敵な感情なんだってことを学んだよ









ぼーっと過ごしていたら

あっという間に午後の授業も終わって

部活の時間がやってきた

よし、部活はしっかり気を張っていかなきゃ

そう思って席を立とうとしたら

隣の席にいるハルが俺を見て

「真琴…何かあったのか」

なんて心配そうに聞いてくる

相変わらずの無表情だけど

声は確かに"心配"を含んだ様子だった





何か…?

ああ、俺が授業中にぼーっとしていたからかな

参ったな、ハルに見られていたんだ







「いいや、違うんだ。心配しないで」


ちょっと恥ずかしくなって笑うと

ハルは俺の顔をみて安心したのか

そうか、と言って荷物を持って教室を出て行った



「あ!待ってよ、ハル!」



置いて行かれないように俺も走ってハルを追い掛ける






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