main...短編

□最初で最後の恋人
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3.2.1...カシャッ!

ピースとか無難なポーズをして撮る。
うわぁ緊張。口が震える…。
横を見ると、黒子は少し固まってて真面目な顔。
それを見ると、なんだか可笑しくて緊張なんて飛んで行って素直に笑えた。

撮った後、落書きコーナーへ移る。
撮った後のを見ると、加工されてて自分ではない感じ。
黒子の顔がいつもより細くて目が大きくなってて、女の子みたいでめちゃくちゃ笑ってしまった。
黒子に「笑わないでください。…恥ずかしいです」って言われてしまった。
私の顔も最初らへんに撮ったやつは苦笑いで変な顔。恥ずかしいなぁ。
一番マシに撮れてるやつに、お互いの名前と”初デート”という文字を書いておいた。

印刷したものを見ると、あぁ、本当にカップルなんだってなんだか実感…。
帰ったら手帳にでも貼っておこう。

「楽しかったね!」
「そうですね。顔が結構変わるものですよね」
「ねー!あれは詐欺だよほんと」

なんて会話をしながらゲームセンターを出た。

「…あの」
「ん?」
「…て、手を繋ぎませんか」
「手?!い、いいよ!」

手を繋ぐって…カップルじゃん!あ、カップルだった!
震えながら黒子に手を出した。
わぁ〜、手汗どうしよ、大丈夫かな?!

そして、黒子が私の手を取り、繋いだ。
少し固くて、私より大きな手のひら。いつも、バスケをしている手。私はこの手が…大好きだ。

少し歩いたところで、黒子が急に立ち止まった。

「苗字さん、あそこにバスケのゴールがあるので、少しやりませんか?」
「どこどこ?あ、ほんとだ!いいよ、やろうか!」
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