main...短編

□君の髪の毛
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「ほれ。できた。」
「わぁ、ありがと!手、疲れなかった?」
「超疲れた。大変だなー女は。名前みたいに長かったら特に。」

手をポキポキと鳴らしたりブルブルと手を振る大輝。

「そうなんだよね、冬とか特に。」
「切らねーの?」
「切らないよ。」
「なんで」
「覚えてない?私達の出会い。」
「それがどうし…あー、もしかかして、だからか?」
「そうそう!」

私達の出会いは、この髪の毛だった。
高校生の時、先生に呼び出されたから走ってると、大輝にぶつかった。
急いで離れたけど、髪の毛が大輝のボタンにからまって一緒に取った。
それが大輝との出会い。

髪の毛が長かったから大輝と仲良くなれた。
高校から関係が続いて同棲もして。
今思えば運命だったかも。

だから、私は髪の毛を切らない。
毛先がバラバラになったら揃えるくらい。
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