memory

□−プロローグ−
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雪が降る中で道をひたすら走っている二人組がいた。



『大丈夫か?』


『はい』


一人は刀を腰に差している青年。
後ろにいる少女と手を繋いでいて、少し辛そうに走る少女を心配して速度を落とした


『じゃあ、また走るぞ』

『わかりま』


一人は雪の中でも目立つ赤のリボンで髪を結んでいる巫女服の少女。
心配する青年に大丈夫だというように微笑み、また走りだそうとしたが足を止めて辺りを見回した


『どうした?』

『……今、悲鳴のような声が』

『チッ、またかよ。こっちは急いでるっつーのに』

『あれの気配はしませんから多分浪人だと思いますが』


悲鳴が聞こえたと青年に伝えた少女は悲鳴の聞こえた方へと足早に足を進めた。
青年は舌打ちをすると面倒くさそうに頭を掻き少女の後をついていく。
何時でも抜けるように柄に片手を添えて…














一方、悲鳴のあがった場所では涙ぐみ震えている少年を守るように、少女と女性が立っていた



『ちょっとあなた、泣いている暇があったら逃げなさい!』


力負けしているもののなんとか短刀で前にいる奴の刃を押さえている女性は震えている少年に怒鳴り、もう一人の少女に視線を送る



『りょうかーいっ!ほらほら立ってー、死にたくないでしょ?うちは死にたくないよ!』



視線を送られた少女は元気よく頷くと、未だに震えては泣きそうな顔をしている少年を安心させるように明るく話しかけ、少年の腕を持ち立たせると手を繋ぎ走り出した






それを見た女性は一瞬の隙をつき相手から距離をとると隠し持っていた一本のクナイを相手の心臓を狙って投げつけると先を行く少女たちの後を追った












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