青春
□想い、思う。
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困惑が涙として溢れ、零れた瞬間。
笠松は自分より体格の良い彼を
思いっきり抱きしめた。
「叶ったら…必ず帰ってくる…、」
痛いくらいに抱きしめられた青峰は
ゆっくりと笠松の背中に手を回した。
未来は変えられる…。
今止めたら笠松はここに残るだろう。
だが――…彼の夢が実現するまで
待つ決心をした。この時の青峰は
ちっとも寂しくなかった。
むしろ笠松が帰ってくるまでにもっとバスケの腕を磨きたいと思っていた。
『――…ほんの少しの"お別れ"。』
ほんの少しの別れの間に
彼はどう変わるのだろうか――…。
ほんの少しの別れの間に
彼の目の前に立てるだろうか――…。
二人の思いは悲しくも涙として表され二人の想いはキスとして表された…。