青春

□知ってる?俺って…。
2ページ/3ページ





部活に一足早く来た花宮は珍しく
先に来ていた原が軽いフットワークを
しながらバスケとはうって変わった
競技をしているように見えた。

少ししてから気がついた原。


なぁ知ってる?俺って強いんだぜ?


そう言って笑う原は自慢気に花宮の
前でシャドウボクシングをする。

シュッシュッと風を切る音と共に強烈なパンチが繰り出される。

そんな様子を「あほくさ。」と
言いながら部品の数を数えつつ、
尻目で原を見守る花宮。

それをラフプレーとして
使うことはできないかと考えていたが
追い討ちをかけるように
「これはバスケじゃやんねーよ」
と苦笑しながら言う原。

使えたらすごい戦力になるだろう。
だが本人が嫌と言うなら仕方ない。
少し渋りつつ諦める花宮。

花宮はボクシングのことは無知だが、
原の繰り出すキツいパンチが
当たれば相当痛い。
それぐらいはわかった。

そんなときである…。
体育館の扉が蹴られて、
鈍い音をしながら開いたのは――…。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ