奇跡

□キセキの…、カット!!
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「突然だが、僕たち…カップル全員でムービーを撮らないか?」

突然集められて突然赤司が出てきて
突然言われた言葉についていけない
11人は目をパチクリしていた。

赤司の発言に反応できないキセキ達を尻目に少々怒った様子の笠松。

「いや、何でだよ。」
笠松の怒りの原因は黄瀬と赤司。

昨日ムチャクチャに腰を振られて
座るのも苦痛、それに加えて12人がいるのは笠松の家…。赤司の命令だ。


トコトコと怯える様子の黄瀬が
攻め組に珈琲を、
受け組にココアを渡す。

そして反射的に
笠松宅のお盆で顔を隠す。
…笠松の視線がお盆越しに伝わった。

"そんな黄瀬はさておき、"と
赤司が意図を伝えた。

「笠松さんが高校生でいられるのは
今年で最後です。来年には氷室さん、
そして僕たちも卒業します。
そこで最後の思いで作りにと思って
ムービーを撮ることにしようと…。」

……自分のためにされた企画のように
感じた笠松は睨むのを止める。
黄瀬がホッとしたような声を漏らす。

「…具体的にはどういうものなのだよ」
緑間の発言に
そうだな、と頷く火神と青峰。

火神と青峰はどうやら楽しみらしく
ソワソワしながら珈琲を飲む。

「とりあえず2on2をしている場面を
撮りたい。他は勝手に僕が撮る。」

おー!とテンションが上がる高尾。
青峰の隣でニコニコ笑う桜井。
二人とも相方と共にバスケできるのが楽しみな様子。

「勝手にって…」
ポテチを食べながら呟く紫原の横で
「でも2on2は楽しみだろ?」と氷室。
その言葉に頷きながら
眉毛こと火神を思いっきり睨む。

「………紫原の視線がイテェ…。」
珈琲を飲みながら視線をそらす火神。
「以前あんなこと言いましたし…。」
と二人が初めてあったときのことを
思い出しながら呟く。

「これ使うね。」
ピコーン、パシャッと音と
共に聞こえた声に皆が視線をやる。
赤司の手にはビデオカメラ。
今のやり取りを撮ったらしい。

……本気で勝手な赤司の隣で
ゴメンネと手を合わせる降旗だった。
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