奇跡

□*キセキのテンション。
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【黄瀬涼太くんに質問します!
恋人、笠松幸男さんについて
どう思いますか?】



え?と首をかしげる黄瀬は
混乱していた。

笠松に俺ん家に来るか?と
お呼ばれしてウキウキランランで
指定された住所に行くと笠松ではなく
高尾が出たのだ。

そのまま無理矢理引っ張られて
ある部屋に入ると高尾に
鍵を閉められとしまったのだ。


そして今に至る。




「恋人についてって
センパイのことッスよね…」

混乱したまま頭の中で笠松の顔、
それも満面の笑みを
浮かべたのを組み立てる。

瞬間、黄瀬の表情がモデルの
顔に変化した。近くにある椅子に
足を組んで座る。

そしてゆっくりと呼吸すれば
記者会見を受けているかのように
ペラペラと話始めた。


「センパイはカッコいい人ッス!!

俺の一番の尊敬人物であり、理解者
でもあるッス。センパイはバスケも
出来れば勉強もできてしかも相談にも
乗ってくれる…熱血精神と冷静沈着な部分を兼ね備えた、スーパーハイパーウルトラデラックスすごい人ッス!

そんなセンパイのことを俺は
大好きッス!!どんくらい大好きかって
言ったらファンの子がくれる物よりも
マネージャーの差し入れよりも好きで
バスケと同じくらい好きッス!!最近
センパイにホントお前犬だなって
言われるけど良いッス!!だって犬なら
ずっとセンパイに引っ付けるし、当然
あの綺麗な足でされた胡座の中にも
入れるわけだし!!なんなら俺、マジで
新しい扉開けちゃっても良いッよ!?
首輪つけられて四つん這いになっても
事務所的にも全然大丈夫ッス!!

あ"ーもーマジセンパイって天使!キス
したらキュッ…て腕掴んできて
トロンって目で見てきてさぁ!!?俺を
殺す気ッスか!?ってぐらい可愛くて
かわいくて!!そんなセンパイは笑顔も
素敵でたまらないッス!!あんまり
笑わない人ッスけどそこらのモデルの娘よりも可愛いんスよ!特にはにかみ!
どこか恥ずかしげに笑うんスよ!?

ハートぶち抜かれない人なんて
いないんスよ!その笑顔の威力に
気付かないセンパイったら首傾げちゃって!!可愛すぎる!センパイなら
殺されても良い!!むしろ殺して!!?」

そう言ったところでキャパオーバー
した黄瀬は背もたれにもたれて頭上に
星を浮かべた。

――…カメラがあるとも知らずに…。
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