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□赤司様の愛情。*
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「え…っと…、赤司、だよね?」
「嗚呼、僕だよ」
「…で…こちらは…?」
「俺は赤司征十郎だ。」
「……???」
首を傾げる降旗に対して
前髪の短い、オッドアイの[赤司様]が
苦笑いを浮かべた。
その横で
どうしてこうなったのか考える
降旗の知らない[赤司くん]。
[赤司様]が休暇に降旗に逢いに来て
家に向かうと既に[赤司くん]が部屋にたどり着いていたのだ。
[赤司くん]と降旗曰く、ここの玄関に
いつの間にか立っていたらしく
ピンポンしたら降旗が[赤司様]と
間違え家に上げた、という。
「光樹…。
僕と僕の過去の赤司征十郎とを
間違えるとはどういうことだい?」
「…え、だって…髪赤いし…」
「髪赤いし、などと言っておれば
火神もそうだろう?」
「う…、」
「…まぁ、責任は俺がとろう。
二人の邪魔に入ったのは俺だ。」
そう言って立ち上がろうとする
[赤司くん]のズボンの裾を
降旗がクンッと引っ張る。
「あ、赤司どこ行くのさ!」
「何処って…
二人の邪魔にならないところだよ」
そんなぁ…と懇願するようにここに
居てよ!と言う降旗。
今居なくなるとお仕置きされることが分かっていたからだ。
「あか……、征十郎、?も
何とか言ってよ!絶対一人は危ないよ!」
「赤司赤司」と連発していた降旗が
[赤司様]のことを征十郎、と呼んだ。
征十郎と呼ばれた[赤司様]はズボンの裾を引っ張ったまま離そうとしない
降旗に[赤司くん]がいるにも関わらずチュッ、とキスをした。