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□しつこくて美味しくない
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氷室の最近の趣味:紫原の部屋物色
「アツシはこの漫画が好きなのかい?」
そう言ってベッドの下から出てきた
野球漫画を手渡す。何故野球漫画!?と突っ込むのは心の中でお願いしたい。
「あー…、うん、好きー。」
そこにあったんだーと言いながら
受け取る紫原。そしてパラパラッと
見ては懐かしそうに笑う。
「これねー、スッゴい面白いよ。
室ちんに貸そうか?全79巻」
その野球漫画は幼稚園生の主人公から始まってプロのメジャーリーガーに
なるまでの軽いスポ魂漫画だ。
「へぇ…、貸してくれよ。興味ある」
フフッと笑う氷室に嬉しくなった紫原は部屋の隅に置いてあった段ボール箱を渡す。中には78巻とDVD、そして
手元にあった1巻が中に入っている。
「時間あるときに読んでよ」
「ありがとうアツシ。」
お礼を言えば段ボール箱を抱えて
自分の部屋へと向かった…。