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□それも美味しいんだ
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―――――ここは寮の廊下。
紫の髪をした大柄の男子と、
小柄だが体格の良い男子が
自分達の部屋に帰ろうと
トコトコと廊下を歩く。
「…また食べてるのか?」
「室ちんも食べる?BBQ味」
そう言ってポテトチップス[増量!]と
書かれた袋を氷室に向ける。
「いや、いいよ」
あまりお菓子は好きじゃないのか
首を振って遠慮する。
"そっかー"と言いながら
またパリパリと食べ始める。
「敦、ちょっと食べ過ぎじゃないか?
野菜も食べろよ?」
お菓子ばかり食べる紫原を心配して
眉を下げながらポテトチップスの袋を
取り上げる。
「…良いじゃん別にー…」
返してよ。と手を伸ばすが
軽いフットワークでかわされる。
「ダメだ。」
冷たい一言を述べれば氷室は
自室に入ってガチャリと鍵を閉める。
「ちょ…室ちーん」
コンコンとノックするも
出る気配がない。
―――仕方ない…とため息を
漏らしズボンのポケットから
棒付きキャンディー[コーラ味]を
取り出して横の部屋に入室した…。