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□受験!!?負けねぇぞ!!!
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「セーンパイ!!帰りましょ!!」

3年の教室に躊躇いもなく
ルンルンしながら入ってくる黄瀬。

センパイと親しく呼ばれている
笠松はと言えば1番窓際の
前から4番目の席にいる。

トコトコトコーと近づいて
顔を覗く。

「…スー……」

「……センパイ…?」

左手で枕をして右手は机から
はみ出した状態で気持ち良さそうに
眠っていた。

しかも今日はいい具合に
ぽかぽか日和で
寝るのにはもってこいの日だ。

……そんな笠松の腕の下には
ギッシリと数字、英語が
書かれたノートが。

「起こすなよ?
せっかく寝てんだから。」

後ろを振り向くと黄瀬の先輩である
森山と小堀が。

「あ、森山先輩、小堀先輩…
センパイ、寝てないんスか?」

眉を下げて笠松の目の下にある
隈を指差す。


「あー、……部活との両立してると
勉強出来ないから
学校で部活に集中、
家帰ってから陽が昇るまで勉強。」

「だから、ッスか…」

俺は聞いてないのに…と黄瀬は心の奥深くで悲しくなった。

「忙しいからな…。俺らもできる限り
サポートしてんだよ。」

―――笠松を心配するのは
黄瀬だけではない。


森山も、小堀も皆心配なのだ。




「…あ、ちょい俺ら先生に
用事あるから行ってくるけど…」

「俺ここに残るッス!」

「じゃあ笠松のこと見ててくれよ?」

「了解ッス!」
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