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□涙!?シバくぞ!勝つぞ!
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「ッ……ッグスッ…」

―――悔しい。

―――ゴールに勢いよく入った後、
試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

自分だけは泣かないと決めていたが
目を擦れば擦るほど溢れる思いと涙。

立っているのも辛いくらいに
走った足は既に悲鳴をあげている。


ロッカールームに響く
押し殺した声と嗚咽―――。

急にキィッ…とロッカールームが
開き慌てて口を抑える。

「センパイ…」

入ってきた黄瀬に驚き、
目を擦りながら振り向く。

「集合…、かかってるッス…」

気まずい雰囲気になり然り気無く
顔を逸らす黄瀬。

申し訳なくなりつつ
「嗚呼」と返事をする。

その瞬間冷えきった体に
黄瀬が優しく抱きしめる。

「センパイ…、俺の前ではキャプテン
じゃなくて良いッスよ…?」


彼なりの優しさなのか笠松の背中を
トントン、と一定のリズムで叩く。


「うっせ…ッグスッ……、駄犬がッ…」


ポロポロと涙を流しながら
ギュッっと黄瀬の制服を握る――。

―――悔しさが募るある日の出来事。






























「悔しい思いはいつか喜びに変わる」

そう言った黄瀬の言葉を胸に刻み

海常のキャプテンは
【打倒桐皇学園】
を目指し今日も練習を積み重ねる―。

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